帰りにビールをいつもの様に飲みながら歩いていると、弘明寺付近で野良猫を発見。
 別に気にしなければそれまでだが、なんだか気になったので撫でてやると、喜んだ様子だった。 そこでその猫をよくよくみると、妙に痩せているように思えたので、普段はしないが何故かそのときは酔っていた性もあってか近くの店でコンビーフを買い、その猫に与える。 コンビーフであった理由はその猫が店から出た後でいなかったら自分で食べて処分できるものがよかったのと、キャットフードはその店で扱っていなかったからである。 別にキャットフードでもよかったが、あれは食べたことがあるが、ちょっと遠慮したい味だったのは言うまでも無い。

 ここでふと気になるのは、果たして野良猫に餌を与えることは善なのか悪なのかという倫理命題である。

 自分自身はそんなこと大して考えずにあげていたように思うが、命は大切にしなければならないという命題は誰しもが真であるとこたえるように思う。
しかし、野良猫の排泄物は得てして野良猫の発生地域においては問題になっていることが多い。 その人々からすれば野良猫には餌を与えて欲しくない。
すると野良猫に餌を与えた自分の今回の行いは悪に分類されるのだが、その野良猫のことを疎ましく思う人たちでさえ、命は粗末に扱ってよいものですか?とたずねればNoという答えが返ってくるのではなかろうか…
 論理命題として人間はいささか矛盾を抱えすぎているように思えるのは今に始まったことではないが、このような機会に改めて頭をよぎった。